「痩せる為に、たくさん運動しないと」
「でも、毎日運動するのは辛いし、面倒くさい」
「っていうか、何すれば良いかわからない」
ダイエットに取り組む上で、運動は非常に重要です。
しかし今日から運動を始めようと思っても、なんだか気持ちが沈んでしまう。
美しく痩せるダイエットを成功させる為、これまで運動習慣が無かった人が無理なく運動を始め、それを続けて習慣化していくことをサポートすべく、具体的な取り組み方について解説したいと思います。
それでは、この記事の結論4つから。
- 運動は重要、でもダイエット効果を過信してはいけない。
- 人の身体は「部分痩せ」しない。
- ゴリラの様に筋肉質で太くなる事を心配する必要はない。
- とにかく続けることが大切。
ダイエットと運動
ダイエットにおいて、運動は食事と睡眠に並んで重要な要素です。
美しく痩せるダイエットを成功させるため、運動、食事、睡眠は三位一体で取り組む必要があるのです。
この記事では、その中の「運動」に注目して深掘りしていきたいと思います。
運動に対する大きな期待と誤解
「たくさん運動すれば、それだけカロリーをたくさん消費して痩せることができる」
おそらく、多くの人はこの様なイメージを抱いているのではないでしょうか。
これは決して間違いやウソではないのですが、この文章から抱くであろうイメージと現実の間にはかなり大きなギャップがある様に私は思います。
と言うのも、痩せることに対して大きな影響力を持つのは、消費カロリーの多さではなく、摂取カロリーの多さだからです。
つまり、どんな運動をどれだけしたかよりも、何をどれだけ飲み食いしたのかの方が、痩せることに強く影響するのです。
身体を鍛えたり運動をすることによって消費するカロリーというものは、思っているよりもずっとずっと少ない、という現実を受け止める必要があります。
「頑張って凄くキツい運動をたくさんやってきたはずなのに、全然痩せない」
もし、あなたがこの様に悩んでいるならば、運動にる消費カロリーへの期待が過大であるかもしれません。
「痩せる」のイメージを磨く
「運動による消費カロリーがそれほど多くないならば、運動などする必要無いのでは?」
この様に思う人も少なくないでしょう。
しかし、そうではありません。
やはり運動は、食事に並んで重要な要素であることに変わりはありません。
運動の必要性を再認識する為、ここでは「痩せる」のイメージを磨いて頂きたいと思います。
- 体重が減る
- シルエットが細くなる
これらは、長期間に渡るアンダーカロリー(摂取カロリーが消費カロリーを下回ること)によって身体に起こった現象で、この状態をもって我々は「痩せた」と認識します。
その一方で、あなたがイメージしているであろう「痩せる」という状態には、
- 引き締まっている
- ハリがある
- くびれている
- スタイルが良い
などの、美しさ、格好良さ、凛々しさ、強さにつながるポジティブなイメージを抱いてるのではないでしょうか。
そんなポジティブなイメージに溢れた理想の自分になりたいからこそ、人々は「痩せたい」と願うものだと思います。
その願いの中には、断じて
- ヒョリガリ
- 折れそう
- 色気が無い
- 病的
といったネガティブなイメージは微塵も含まれていないはずです。
つまり、あなたがダイエットに取り組んでいく過程で、これらの様なネガティブなイメージを取り込まない方法によって痩せていくことになります。
では、このポジティブイメージとネガティブイメージを決定的にしている要素とは、一体何なのでしょうか?
運動で筋肉を鍛え、美しく痩せる
痩せた身体に対するポジティブなイメージと、ネガティブなイメージの決定的な差は、筋肉だと私は思います。
食事の管理によって摂取カロリーを消費カロリーよりも減らし、継続的なアンダーカロリー状態にすることで、身体は徐々に痩せていきます。
この時、身体の中では脂肪と共に筋肉の分解も起こっています。
ここで筋肉を大きく減らした場合、体重は減っても体脂肪率が減っていない、という事が起こり得ます。
こうなると、シルエットは確かに細くなって痩せているはずなのに、何だか妙に締まりが悪い、色気の無い身体になります。
わかりやすい例を挙げるならば、ガリガリに痩せて骨と皮だけの様になった身体が美しいかと言われると、大半の人はそうは思わないはずです。
目指すべきなのは筋肉を維持し(或いは増やし)ながら脂肪の分解を促すことで、身体全体における筋肉の割合を増やして体脂肪率を下げることです。
実際のところ、体重はそれほど減っていなくても体脂肪率が減っているならば、身体はとても引き締まって見えます。
これこそが多くの人がダイエット後に思い描く自身のポジティブなイメージ、美しく痩せた姿に近いのではないでしょうか。
運動せずに痩せられないの?
「痩せることはできない」とは言いませんが、私はオススメしません。
運動せずにカロリー収支だけで痩せた場合、脂肪と共に筋肉も一緒に減らしてしまう事がどうしても避けにくいからです。
筋肉を減らしながら痩せた場合、身体の代謝が低下して消費カロリーが減ってしまいます。
これを続けていくと、食べる物が変わっていなくてもカロリー収支がアンダーにならなくなり、痩せられなくなります。
こうなってしまうと、それ以上ダイエットを進めることがとても難しくなります。
運動をせずに消費カロリーを増やすことはできません。
さらに痩せる為には摂取カロリーを減らしてアンダーカロリーにするしかありませんが、これは日々の食事に対して更に強い制限をかけることを意味します。
必要な栄養が不足しがちになり、筋肉がますます減っていくことが推測されますので、決してヘルシーな方法ではありません。
その様な方法が長続きするはずも無く、遅かれ早かれどこかで不満と食欲が大爆発を起こして暴飲暴食をすることになるでしょう。
もし、筋肉が減った状態で脂肪を多く蓄えるリバウンドをしてしまうと、そこから再び痩せることは以前より困難になります。
脂肪は元に戻っても、筋肉が元に戻っていないので、消費カロリーは低いままだからです。
食欲や不満を抑え込んだとしても、強いストレスとリバウンドへの恐怖感から満足な食事ができなくなり、食べてすぐに吐くなど今度は拒食が心配されるようになります。
この例は少々極端な話であると言えますが、運動せずに上手く痩せるには筋肉を減らさずに脂肪だけを落とす必要があり、これは左右のタイヤの片方だけを動かして真っ直ぐ前進しようとするのと同じで、とても難しい事です。
あまり現実的ではありませんし、仮に短期的に上手くいっていたとしても、持続的ではない再現性の低い方法だと思っていた方が良いでしょう。
運動せずに痩せることの難しさについて、何となくイメージを持って頂けたでしょうか?
運動って、具体的に何をすれば良い?
食事管理と運動の両方に取り組むことで、再現性高く痩せることができます。
そして、これからダイエットを目指して運動を始めようと思う人たちに朗報です。
結論 : 運動ならば、何をしても良い!!
少々乱暴であることは否めませんが、これは紛れもない事実で、運動の内容によってダイエット効果に差があるものの、究極的には自分が好きな事をずっと続けるのが一番だと私は思います。
しかしそうは言っても、これまで運動習慣が全く無かった人にとっては、自分が何の運動が好きなのかもわからないし、ぶっちゃけて言えば運動なんか何もしたくない、というのが本音でしょう。
そうなると、どうせ運動するなら出来るだけダイエットに効きやすいものが良いでしょうから、これから運動を始める人たちにとって注意して頂きたい点を紹介します。
長時間の運動、汗だくになるような辛い運動である必要はない
運動習慣が無い人にとっては、運動は辛いものだというイメージがかなり強く刷り込まれている様に思います。
そして、ダイエットの為に脂肪を燃やさなければならないと考え、より一層過酷な運動で自分を追い込んでいく必要があるのだろう、とも考えているのではないでしょうか。
前述した通り、運動すること自体で消費するカロリーというものは、それほど多くありません。
痩せることに直接的に効いてくるのは、あくまでも食事による摂取カロリーのコントロールです。
目的は日々の運動によって筋肉を鍛え、運動していない時でも消費カロリーが高い水準になる身体を作る事です。
ある1日だけ物凄く頑張って高負荷な運動をするよりも、少し弱い負荷の運動を毎日コツコツ続ける方が遥かに効果があります。
運動は筋肉を減らさずに維持するためにやることで、それ自体で痩せようとは思わずに割り切ってしまうのが良いのではないでしょうか。
ですので、例えば貴重な週末の休日に何時間も汗だくになって過酷な運動をする必要は全く無く、出来るだけ毎日(少なくても週の半分以上)をじっくり継続していくことで良いのです。
痩せたい部分の運動をしても痩せない
- ウエストを細くするため、腹筋をする。
- 二の腕を細くするため、腕のツイスト運動をする。
- 足を細くするため、足パカ運動をする。
これは本当に多い誤解です。
運動によって、身体の一部の脂肪を集中的に分解することは絶対にできません。
筋肉を鍛えることと、脂肪を分解して痩せることは同じではないのです。
腹筋運動をすれば、お腹周りの筋肉を鍛えて大きくすることができますが、これによってお腹周りの脂肪が集中的に分解するわけではありません。
アンダーカロリーによる脂肪の分解は全身で起こります。
勘違いして頂きたくないのは、私は「足を細くするために足パカをしても、足は細くならない」と言っているわけではありません。
実際に足パカをして足が細くなった人も居るでしょう。
私が言いたいのは、「足パカをして足が細くなった人は、足だけではなく全身の脂肪が分解されている」ということです。
物凄く極端な事を言えば、腕立て伏せをして足を細くすることもできますし、踏み台昇降をして腕を細くすることもできるのです。
筋肉は鍛えることによってその部分が大きくなり、脂肪はアンダーカロリーによって全身で分解されるのです。
どんな運動をする?
運動によって特定の部位の脂肪を集中的に分解することが出来ない事を踏まえると、運動ならば何をしても良い、という考え方にたどり着くことができます。
やはり、自分が好きな事をするのが一番自分の心に良く、継続的な運動習慣と自信へつながっていきます。
敢えて、より具体的な運動の例を挙げるならば、身体にある大きな筋肉を動かす運動をする、というものがあります。
身体にある小さな筋肉と大きな筋肉、どちらも鍛えるのに同じ時間をかけるならば、消費カロリーが多くなるのは大きな筋肉を鍛えることです。
運動によって消費するカロリーはイメージよりずっと少なく、運動に対して過大な期待は禁物であることはお伝えした通りですが、大きな筋肉を鍛えてできるだけカロリー消費の増大を促す、というのは様々な運動の中でも高いダイエット効果があります。
人間の身体の中でも、特に筋肉が大きいBIG3と呼ばれる部分を鍛えることで、消費カロリーの増大が促進されます。
BIG3の部位と、その部分を鍛える具体的な運動の例は以下の通りです。
身体の部位 | 具体的な運動の例 |
胸の筋肉 | ベンチプレス |
肩から背中の筋肉 | 懸垂 |
足の筋肉 | スクワット |
太くなること、大きくなることを心配する必要はない
「筋肉を鍛える」と聞くと、激しくて負荷が強い運動を連想するかもしれません。
そんな事は自分にはできない、とハードルの高さを感じる人も居るでしょう。
先に紹介したBIG3を鍛える方法も、どちらかと言えば男性が好む傾向がある運動だと言えます。
その一方で、女性が好む傾向がある運動とは、
- ヨガ、ストレッチ
- ダンス
- ウォーキング、ハイキング
といったもので、直接的に筋肉を鍛えることとは少々趣旨が異なる傾向がある様に思います。
私が良く耳にする女性が運動する際の心配ごとの1つとして、
「筋肉をつけることで、身体がゴツくなったり腕や足が太くなるのではないか」
というイメージが少なからずあるようですが、これに対しては明確な答えがあります。
食事の管理をせずに運動だけをしているならば、その様になる可能性があります。
これは、お相撲さんの生活をイメージするとわかりやすいと思います。
食事の管理による摂取カロリーのコントロールをしているならば、筋肉で身体を大きく・太くするのはとても難しいことです。
腕も足もキツいウエイトをかけて筋肉を徹底的に鍛え、たんぱく質をこまめに摂取し、長い時間をかけて筋肉を育てても、ほんの少し大きくなったかどうか。
そうなんです。
摂取カロリーをコントロールをしている中で身体を鍛えると、アンダーカロリーがより促進されて見た目としては身体が太くなるどころか痩せちゃうのです。
痩せるとは言っても、体重はある時点からあまり減らなくなります。
しかし体脂肪率が減り、見た目は身体が引き締まって痩せている様に見えます。
ボディビルダーの様に大きくゴツくて野性的でありながらもしなやかな筋肉は、日々の血の滲むようなトレーニングの努力と、徹底された栄養管理と、遺伝的な才能の掛け算によってもたらされた結晶です。
ボティビルダーを目指しているわけでもない普通の人が、少し筋肉を鍛えただけでその様になることを心配する必要はありません。
繰り返しますが、食事による摂取カロリーのコントロールがまだ充分にできていないならば、そちらを見直す必要はあるでしょう。
たくさん運動をして筋肉を鍛えながらでも、糖質と脂質をたくさん摂取することで脂肪を増やして太ることは可能です。
その様な状況下で筋肉を鍛えれば「足が太くなる」とか「腕がゴツつなる」といったことは起こり得ると思います。
しかし、摂取カロリーをしっかりコントロールしている以上、運動の内容によって「足が太くなる」とか「ゴツくなる」なんてことを心配する必要は一切ありません。
もし、これを建前に自分の「運動したくない」という気持ちを正当化しているならば、そちらの方が大きな問題だと言えます。
これは、痩せたいと思っていながらもまだ何もしていないブタが、運動することによってゴリラに変わってしまう事を心配している様なものです。
まずは実際にたくさんの運動を自分でやってみて、ブタから変わる努力をすること。
その変化の結果として、身体が本当にゴリラのようになってしまったのなら、その時に今後の対処を考えることで良いのです。
美しく痩せるダイエットはいつ如何なる時でも、必ず挽回ができます。
どうか、変化することを恐れないでください。
まずは習慣化、とにかく続けること
BIG3を鍛えることは私のオススメですが、ベンチプレスや懸垂は家庭で行うことは出来ません。
こういった運動をするには、ジムに通うことになります。
しかし、これまで運動習慣が無かった人にとって、ジムに通うのはとてもハードルが高いことで簡単に始められることではないでしょう。
いきなりキツい運動をして、強烈な疲労感に襲われたり、続けることに不安を覚えたり、会費もかかるので経済的な負担を感じたり。
運動をすることで、すぐに痩せることはありません。
こういった要素が心の中にあると、どうしても継続できずに心が折れてしまう事になりかねません。
その為、ダイエットに効率的な運動を追求するよりも、一生の時間をかけて長く楽しみながら無理なく続けられる、あなたの生活、あなたの人生の一部になる運動に出会えることの方が、心が満たされて充実感が強いものになると私は思います。
まずは手軽に、自宅でも1人で始められることとして、
- ウォーキング
- スクワット
- 腕立て伏せ
この辺りがお手軽で始めやすいのではないでしょうか。
これを全部やる必要はありませんし、自分を限界まで追い込むような強い負荷も必要ありません。
疲れるまでやらなきゃ効果が無い、なんてこともありません。
「週に1回だけ」といった頻度ではさすがに少な過ぎるので、できるだけ毎日、少なくとも3日に1回は継続して頂きたいです。
お風呂や歯磨きと同じ様に、それをしないと何だか気持ち悪くて落ち着かないと感じる様な、生活の一部になるまで意識して繰り返して頂きたいと思います。
食事の管理とセットで運動を行うことで、身体は徐々に変化し始めます。
ダイエットはすぐに効果が現れません。
取り組みを始めて、数ヶ月や数年をかけて達成するものです。
ゆっくり、無理なく取り組める自分に合った運動を探してみて欲しいと思います。
以上、「双木さくら」がお届けしました。
これがあなたにとって、ちょっとした幸せの道しるべになりますように。
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