投資した方が良い? 投資を始めるまで

投資した方が良い? 投資の基本

「投資した方が良い、ってみんなが言ってる」
「つみたてNISAとiDeCoをやった方が良いんでしょ?」
「なんか、本屋にお金に関する本が増えた気がする」

漠然と、「投資した方が良いのだろう」とは思うけど、大切なお金を失ってしまうのは絶対に嫌だし、ピコピコ動く棒グラフのチャートを1日中ずっと見張るようなこともしたくない。
そもそも、投資って具体的にどうすれば良いかも良くわからない。

そんなあなたのお悩みに答えます。
まずはこの記事の結論4つから。

  • 投資は今や大人の常識的な嗜み。
    ここから逃げる者は知識的にも金銭的にも劣後し、貧富の格差はより一層拡大する。
  • 「お金を増やす」だけが投資ではない。
    投資は「お金を守る」ことにもつながっている。
  • 頻繁に売買する必要は無いし、毎日チャートを見る必要も無い。
    そんな行為はむしろ有害な場合さえある。
  • まずは証券口座が必要。日本の証券会社で口座開設が可能。

投資とは?

「投資」と聞いて、何をイメージするでしょうか?

  • 株の取引きをすること
  • FXの取引をすること
  • 土地、家、マンションを買って、人に貸すこと
  • 金や銀の延べ棒を買うこと
  • ビットコインの取引をすること

まだ投資の経験が無い人にとっては、このあたりを連想したのではないでしょうか。
これはこれで決して間違いではないのですが、今回はあなたの人生に深く関わる「お金」と「投資」について、もう少しだけ根源的な話をさせて頂きたいと思います。

個人が投資することについての現在の環境

昔では、投資とは金持ちだけができたことですが、それから比べれば現代は個人が様々な資産・金融商品へアクセスしやすい環境であると言えます。
個人が口座を開いて100円から投資を始めることも可能であり、もはや今は「投資できる」・「投資できない」ではなく、「投資する」・「投資しない」の状態にあります。
こうなってくると次に考えなければならないのは、「どの様に投資するか」ということになります。

投資に取り組んでいる人たちの背景は実に様々で、お小遣いの範囲でささやかにコツコツと取り組む人もいれば、生活を切り詰めて大きな額を拠出する人もいますし、より真剣に向き合うべく高いリスクを背負った運用をしている人もいます。
その取り組み方には個人毎に大きな差こそあれど、多くの人に共通しているのは「投資」という行為が既に普遍的なものになっており、資本主義経済で生きる上での嗜みとなっていることです。

そこから目を背けると自身の金融資産が他者と比較して相対的に劣後し、幸せを追求することが難しくなると感じているが故に、自身が働いて稼ぐ以外の方法として「投資」を取り入れる必要があると考えてるのではないでしょうか。

なぜ投資すべき?

端的に申し上げるならば、

  • お金を増やす
  • お金を守る

この2点に尽きるのではないでしょうか。
それぞれについて考えてみましょう。

お金を増やす為

世の中にいる多くの人は自分自身が労働をして、その対価として受け取った賃金である「お金」を銀行に貸し付ける「預金」を行うことで少しずつ着実に資産形成を図っていきます。
これは資産形成を図る上で最も基本的な方法ですが、

  • 自身の労働力に依存している
  • 金利に依存している

という特徴があります。
自身の労働力に依存しているという事は、もし何かしらの事情があって働くことができなくなれば、当然ながら収入が得られなくなります。
また、日本の様に歴史的に低金利な国の場合、銀行にいくら預金していようとも、それは貯金箱にお金を入れていることと大差は無く、それによってお金が増えていくことはありません。

自分自身の人生を豊かにしたいと思うならば、その土台となる「お金」について、自分自身が働いて銀行に預けることとは異なる増やし方として、お金を働かせて稼ぐことについて学ぶ必要があります。

お金を守る為

あなたがまだ投資をしたことが無い場合、全財産の大半が日本円だけで構成されているはずです。
その日本円を全て持って銀行に行き、全額をアメリカドルに両替することはできるでしょうか?
きっと、そんな恐ろしいことはできないですよね。

それを想像した時、なぜ恐怖を感じたのでしょうか?
例えば、ビットコインとか、原油とか、貴金属とか、自分には良くわからないものに全額両替してしまうならばともかく、アメリカドルはアメリカ政府によって信用が裏付けられた通貨で、日本政府によって信用が裏付けられた日本円と本質的には横並びの関係にあるはずです。
むしろ、アメリカドルは世界の基軸通貨ですので、通貨としての信用は日本円よりも高いとも言えるかもしれません。
なぜ、全財産がアメリカドルになることには恐怖を感じるのに、全財産が日本円であることには恐怖を感じないのでしょうか?

恐怖の正体は、「日本円に戻した時に損してしまうかもしれない」という気持ちではないでしょうか?

確かに、両替をするにはそのリスクがあります。
ですが、ここで良く考えてみて下さい。
アメリカドルを持っていたら円に対して損をするかもしれないけど、日本円を持っていたらアメリカドルに対して損はしないのでしょうか?
これはおかしいですよね。
普通に考えて、いつ如何なる時も日本円がアメリカドルに対して一方的に強い、なんてことはあり得ません。

この様に考えていくと、アメリカドルに対しては恐怖を感じるのに日本円に対しては全く恐怖を感じない自分自身の感覚の方にこそ疑問を持つべきである、とは思いませんか?

全財産の大半が何か1つに集中している場合、その資産価値が大きく棄損してしまった時には全財産が大きくダメージを負うことになります。
投資をすることで、何かの価値が棄損しても他の何かがそれをカバーする「資産の多様化」について考えることとなり、自分の資産を守ることへとつながっていくのです。

投資って、毎日チャートを見張って、良いタイミングで売ったり買ったりするの?

プロ・アマを問わず、その様な手法で投資をしている人たちがいる事は否定しません。
しかし、この様な短期的な判断と売買の繰り返しで長期に渡って成果を出し続けられるのは限られたごく一部の人だけで、多くの場合においてこの様な方法は途中で手痛い失敗をして資金を失うことになります。
場合によっては退場を余儀なくされ、失ったお金は「市場の養分」となります。

投資において最も成功の再現性が高い方法は、短期的に何かを買ったり売ったりを繰り返すのではなく、長期的な時間をかけて緩やかに経済成長し続ける世界全体の平均に追従する方法で、投資対象を数年~数十年単位の期間で保有しながら、その成長を享受し続けることです。

その様な方法を取る場合、デイトレーダーの様にたくさんのチャートを見ながら複雑な分析をしたり、1秒を争う様にタイミングを計った売買をする必要はありません。
仕事も、遊びも、家族との時間も犠牲にする必要は無く、定期的に淡々と買い続けることで資産形成を図っていくものです。

むしろ、チャートを頻繁に見たりすることで「今が安い」「今が高い」と判断するきっかけになり、短期的な投資を行う原因にさえなり得ます。
チャートを毎日見る必要などありませんし、「良いタイミングで売買する」という生き馬の目を抜くようなことなど絶対に出来ない、と思うぐらいでちょうど良いでしょう。

どうやって始める?

投資を始めるにあたり、いくつか必要なものがあります。
必須のもあれば、無くても大丈夫だけどあった方が良いものもあります。
全部で4つを紹介しますので、この機会に揃えてみましょう。

マイナンバーカード

今や、自分のマイナンバーがわからなければ金融機関で口座を開設することさえもできなくなりましたので、投資を行うにはマイナンバーが必須となります。

マイナンバーカードに埋め込まれたICチップにより、インターネット上での本人確認は以前より格段に便利になりました。
確定申告を行う場合も、マイナンバーカードとe-Taxを使って昔より簡易に行うことができます。
今後もマイナンバーカードを使った各種サービスは充実していくでしょうし、いずれは病院や歯科でも提示が義務付けられる様に変わっていくことでしょう。
2023年現在、マイナンバーカードに関して世間を騒がせるニュースがいくつかあり、中にはマイナンバーに対して否定的な考えを持つ有名人がカードを返納したりしていましたが、マイナンバーカードを使ったこの流れはもう変わらないと思います。

口座開設にはマイナンバーが必須となりますが、マイナンバーカードが必須なわけではありません。
カードの取得は任意ですが、マイナンバーカードを持っていないようであれば、この機会に手続きを行うことを個人的にはオススメします。

パソコン

これはインターネットにつながったスマホやタブレットでも代替可能です。
必ずパソコンでなければならない、ということはありません。

それでも、パソコンは単に投資のためだけに使うわけではなく、現代の情報・知識社会を生き抜くための必須ツールであると言えます。
パソコンを使いこなすことはあなたが稼いだお金を投資で増やすことはもちろん、あなた自身がお金を稼ぐ可能性をも広げるものであると言えますので、1台お持ちになる事をオススメします。

ネット銀行の普通預金口座

投資は余剰資金で行うのが鉄則で、生活費が入っている銀行口座を使って投資を行うと良くないことが起こる可能性を引き上げることになります。
生活費と投資用資金をしっかりと物理的に区別する為にも、銀行口座から分けておくのが良いと思います。

投資は全てインターネットを使って行う為、それに連結する銀行口座においてもインターネットで操作ができるものを使うのがスマートです。
もし、まだネット銀行の口座をお持ちでなければ、この機会に投資専用の口座として1つ開いておく事をオススメします。

証券口座

投資を行うにあたり、株式や投資信託などの金融商品を買うためにはネット銀行の普通預金口座とは別に、証券口座が必須となります。
証券口座を持たずに投資を始めることはできませんし、この世に証券口座を持たない金持ちはいないと言っても過言ではありません。

証券口座の開設は、「お金がお金を生むしくみ」を作る為のキーとなる要素です。
開設手続きが完了してから取引可能な状態になるまでは大体2~3週間程度の時間がかかるだろうと思います。
「楽天証券」と「SBI証券」が日本におけるツートップの証券会社で、このどちらか或いは両方を開設するのが良いと思います。

証券口座の開設はオススメではなく、必須事項となります。

ここまで言われても、できない人たち

個人的な話になりますが、「投資を始めてみたい」「どうすれば良いの?」と私を頼って頂くことが時々あります。
これは大変光栄でありがたいことなのですが、多くの人は私から投資に関する話を聞くものの、そこから具体的に行動を起こすことができません。
特に証券口座開設は相当ハードルが高いようで、何人もの人がスタートラインにたどり着く前にここで脱落していく様子を見てきました。

ある人は、マイナンバーの手続きに何か不備があったようで「もう何をやってもダメだ~」と言っていました。
それも、なぜか嬉しそうに。

その様子は、まるで誰かから「あなたは投資しなくても大丈夫だよ」と耳元で囁かれ、投資を始めることから解放されて肩の荷が下りたかの様でした。

投資をするもしないも個人の自由ですので、私からそれ以上は何も申し上げることはできません。
しかし敢えて厳しい事を申し上げるならば、お金を増やしたいという気持ちがあり、今のままではいけないと思ったからこそ投資を始めようと思っていたはずが、証券口座開設というたった1つの困難に直面しただけで、こうも簡単に挫けて逃げ出してしまうような人のところにお金がやってくることは、きっとこの先も無いのだろうな、と思います。

キツい言い方かもしれませんが、証券口座の開設は一般的に「困難な事」ではなく、「簡単な事」に分類されるようなものです。

ここまで読んで頂いたあなたは、「投資とは何だろう」「投資した方が良いのだろうか」と思い悩んでいるところだと思います。
投資にはリスクがありますので、実際に投資をするかどうか、どのぐらいの金額を投資するかは慎重にご判断頂くことで良いと思います。
考えに考え抜いた結果として、「投資をしない」という事を選択されたのであれば、それは尊重されるべきだとも思います。

しかし、投資がどういうものであるかを学び、いつでも投資を始められる様に準備すること自体はノーリスクです。
マイナンバーカードの申請にも、証券口座の開設にも、何の金銭的負担はありません。
「やる気」さえあればできることです。

どうか今の時点で諦めることはせずに、まずは証券口座の開設完了に向けて果敢に挑戦して頂きたいと思います。

以上、「双木さくら」がお届けしました。
これがあなたにとって、ちょっとした幸せの道しるべになりますように。

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